交換略字【】
[音] | レン |
[訓] | ねる |
《意味》
「練」に書き換えられるものがある。
【煉塀】ねりべい
土と瓦を積み重ねて築き上げ、上を瓦で葺いた土塀。
「練塀」とも書く。
【煉る】ねる
1.2.「練る」とも書く。3.「錬る」とも書く。4.「錬る・練る」とも書く。
【煉瓦】れんが
粘土に砂・石灰などを加え、型に入れて窯で焼き固めたもの。
普通、直方体の赤煉瓦をいい、土木建築材料として壁・道路・窯などに用いる。
【煉獄】れんごく
カトリック教会の教義で、天国と地獄の間にあり、この世で罪を犯した者の霊魂が天国に入る前に、炎によって苦しみを受けその罪を拭い落とされるという所。
苦しみを受ける場所のたとえとしても使う。
【煉丹】れんたん
【煉炭】れんたん
石炭・木炭などの粉末を粘結剤でねり固めた燃料。
普通、円筒形で、燃焼をよくするために縦に10個前後の穴を通す。
「練炭」に書き換えられる。
【煉乳】れんにゅう
牛乳を煮詰め濃縮したもの。加糖練乳(コンデンスミルク)と、無糖練乳とがある。
加糖練乳は菓子用に、無糖練乳は乳児用に主として使用される。
「練乳」に書き換えられる。
【試煉】しれん
信仰・決心の強さ、実力の程度などを厳しく試すこと。また、そのための苦難。
「試練」に書き換えられる。
【洗煉】せんれん
文章や作品、人格などに磨きをかけて、優雅・高尚なものにすること。
「洗煉されたファッション」
「洗練」とも書く。
【手薬煉を引く】てぐすねをひく
すっかり用意を整えて機会のくるのを待つ。あらかじめ準備して待ち構える。
「薬煉」は、松脂に油を加え熱して練ったもので、補強のために弓弦などに塗る。
「手に薬煉を引く」意から。
《字源》
声符は「柬(かん)」。
「柬」は袋(「橐(たく)」)の中に物のある形。
「橐」は「東」の初文。
「東」が方角を表す字に専用されるようになり、「ふくろ」の意味を残すために「石(せき)」声を加えて、「橐」という字ができた。
「橐」の中に物を入れ、精練し区別することを示す字である。
《字体》
「柬(かん)」に従う字は、「練(練)」「錬(鍊)」「諫」「蘭」「爛(爛)」「揀」「楝」など「-en」「-an」声をもつ。
一方、「東」に従う字には「凍」「棟」などがあり、「とう」声をもつ。
「柬」に従う字は、唐代楷書から、ほとんどが「東」に略されて書かれてきて、常用漢字や人名用漢字はそれを採用した。
「」も同様に「」と書いても差し支えない。